書評-7つの習慣

書評

こんにちは!トモです。

このブログは主に、人生の黄金時間に当たる大学生活を送られている方に向けて、自分自身が大学生の時に知っていたら嬉しかったな的な知識を発信しています。

3年半バックパッカーで世界を旅した経験と今まで3千冊以上の本を読んで学んだことをベースに記事を書いています。

今日は書評です。(久しぶりの書評)

しかも、今日扱うのはキングオブビジネス書、キングオブ自己啓発の『7つの習慣』。

読んだことある人はかなり多いと思います。ただ、相当分厚い本なので、途中でギブアップした人もいるんじゃないでしょうか。

今日は、この最強のビジネス書でもある7つの習慣をまとめたいと思います。

目次

私的成功

7つの習慣とは、日々の生活の中で7つの習慣を作り実践することで、大きな成功を収めることができるというのが主題です。

人生において大きな成功は二つに分けられます。

一つ目が私的成功、、、個人としての成功ですね。

二つ目が公的成功、、、自分だけでなく周囲も巻き込んだもっと大きな成功。

著者は私的成功することは当たり前で、その先の公的成功を人生の大きな目的にするべきだと言っています。

そして、7つの習慣のうち、最初の3つの習慣をクリアーすれば私的成功につながり、その先の3つの習慣をクリアーすることで公的成功を実現できる、というのがこの本の大きな流れになります。

そして7つ目の習慣を実践することで、1〜6の習慣を強固で頑丈なものにし、さらに大きな成功に繋げてゆく。

もう一つ、習慣を学んで実践する前に、この本のベースというか、全ての習慣に一貫して言える芯のようなものがあります。

それが「人格の形成」です。

良い人格を習慣によって磨き上げることが成功につながる。

これがこの本で書かれている真髄だと僕は理解しています。

つまり、全ての習慣は自分の人格を磨き上げるためのもの。

そうして人格が磨かれることで、私的にも公的にも成功につながるのだ、ということです。

それではまず、著者の主張する人格主義の回復から見ていきましょう。

・人格主義の回復

まず著者はアメリカ建国以来の成功に関するあらゆる文献を研究して、前半の100年と後半から現代に繋がる50年で成功や人々の行動やマインドに関して変化が起きているということを突き詰めました。

それを個別主義人格主義と呼んでいる。

個別主義

最近の50年間の成功に関する文献の内容は成功するためのイメージの作り方、テクニック、あるいは応急処置的な手法を説明しているだけである。

鎮痛剤やバンドエイドのように上辺の疾状に対応し、その問題を解決しているかのうように見えるが、それは一時出来なものに過ぎず、その問題のもとにある慢性的な原因には全く触れていない。

そのため、その問題が何度も再発することになるのだ。

人格主義

アメリカ建国(1776年)以来の150年間の成功に関する文献の内容は誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、節制、黄金律などが成功の条件として取り上げられていた。

なかでもベンジャミンフランクリンの自叙伝は代表的なものである。

人格主義で は、「成功」といわれるような人生には、その裏付けとなる原理原則があり、その原則を体得し人格に取り入れる以外に、人が真の成功を達成し、永続的な幸福を手に入れる方法はないと教え ている。

第一次世界大戦が終わって間もなく、成功についての基本的な考え方は、急に人格主義から個別主義へと移行した。

個別主義では、成功は、個性、イメージ、行動、態度、スキルなど、人間関係をスムーズにする手法やテクニックから生まれるものだと考えられるようになった。

個別主義は基本的に2つのアプローチ(人間関係や自己PRのテクニックと積極的あるいは前向きな考え方と姿勢)に分かれる。

学校のような人工的な短期システムの中では、ゲームのルールを学べば、短期的には(個別主義で)ごまかすことができる。

しかし、長期的な人間関係においては、こうした二次的なものだけではなんら永続的な価値を生み出すことはできない。

本当の誠実さや人格の良さがなければ、人との関係において大きな問題に直面した時、あなたの本当の動機が表面に現れ、その結果、人間関係が壊れ、それまで得ていた見せかけの「成功」を失ってしまうことだろう。

表面的な成功(才能などに対する社会的評価)に恵まれた人の中でも、こうした真の成功(優れた人格を持つこと)を達成していない人もいる。

遅かれ早かれ、このことは、その人の持つ長期的な人間関係のすべてーー仕事仲間、夫婦、友人、大きな悩みを抱えている子供などーーにおいて表れてくるだろう。人格は、言葉よりもはるかに雄弁だからである。

人間の成長過程には、然るべき順序とプロセスがある。

子供はまず寝返りをおぼえ、座り、這うことを学んでから、初めて歩いたり走ったりすることができるようになる。

各段階ともそれぞれ大切であり、それぞれに時間がかかる。どの段階も飛ばすことはできない。

物理的な現象についていては、この「プロセスを踏まなければならない」という原則は理解しやすいが、個人の人格や、人間関係の育成についてこの原則を正しく理解することは難しく、またそれができている人は少ない。

しかも、この原則を正しく理解したとしても、それを真心から受け入れて、それに従って生活するということは、さらに難しく稀なことだ。

従って、個別主義的な近道を探す人が多くなる。

時間と努力を節約するために、不可決な階段を飛ばしながら、望む結果の達成を期待するのである。

・『ガチョウと黄金の卵』の教訓

「7つの習慣」は効果性の習慣である。

これは原則に基づいた、長期的に最大の有益な結果をもたらすものである。

そして、この「7つの習慣」は、人格の土台となり、効果的に問題解決を図り、機会を最大限にいかし、かつ、ほかの原則を常に学び、それを生活の中に取り入れるための正確な地図(パラダイム)とよりどころを与えてくれる。

これらの習慣が効果性の向上に結びつく大きな理由のひとつは、これから説明するP/PCバランスという自然の法則に調和した「効果性」に関するパラダイムに基づいているからである。

多くの人はこの原則に違反しようとして、敗れていく。

ある貧しい農夫が、飼っていたガチョウの巣の中にキラキラと輝く黄金の卵を発見した。

最初は誰かのいたずらだろうと思って捨てようとしたが、考え直し、念のために市場まで持っていくことにした。すると、金の卵はなんと純金だった。

農夫はこの幸運が信じられなかった。翌日も、同じことが起きた。くる日も来る日も、農夫は目を覚ますや否や、ガチョウの巣に走っていき、新しい黄金の卵を発見した。

やがて、農夫は大金持ちになった。

ところが、富が増すにつれ欲が出て、せっかちになっていった。

一日一個しか生まれない黄金の卵が待ちきれず、ついにガチョウを殺し、腹の中の卵を全部一気に体に入れようと決めた。

そして、いざガチョウの腹の中 を開けてみると中は空っぽだった。

黄金の卵はもちろんなく、その上黄金の卵を手に入れる手段さえも、農夫は失くしてしまったのだ。

黄金の卵を生み出してくれるガチョウを殺してしまったのだった。

この寓話が示してくれるように、真の効果性というものには二つの側面がある。

それは目標を達成することまたは結果を手に入れること(黄金の卵)と、その結果を手に入れるために使う資源あるいは目標を達成する能力(ガチョウ)の二つである。

つまり、ガチョウを疎かにし、黄金の卵ばかりを追い求める生活様式を取り入れれば、やがては黄金の卵を生み出してくれる資源を失くしてしまうことになる。

逆に、ガチョウの世話ばかりして黄金の卵のことを全く考えなければ、自分自身もガチョウも食べさせる資力を失ってしまうだろう。

効果性は、この二つの側面のバランスにある。それをP/PCバランスと呼んでいる。

すなわち、 目標達成(Performance)のPと、目標達成能力またはそれを可能にする資源(Performance Capability)のPCから名付けられた原則である。

Pに集中しすぎると健康を害し、機会を故障させ、企業を破産寸前に追い込み、人間関係を破綻に導く。

その一方、PCに集中しすぎることは、まるで毎日3、4時間ジョギングをするようなものである。

寿命が10年伸びると誇るが、その10年間を全てジョギングで過ごしていることに気がついていない。

第一の習慣・主体性を発揮する(自己責任の原則)

私たちを取り巻く社会の通年、人々の意見や考え、あるいはパラダイムを総称して、社会の鏡と呼んでいる。

多くの人は、自分自身に対するパラダイムや考え方をこの社会の鏡から得ている。

しかし、それは遊園地によくある奇妙な鏡の部屋に写っている姿と同じのようなものである。

「あなたはいつも時間に遅れてくる」
「本当によく食べるね」
「芸術的センスがあるね」

これらの発言は、私たちの本当の姿や可能性を映し出すものではない。これらは、発言した人のパラダイムや人格のレベルを投影しているだけである。

現代社会では、一般的に人は、条件付けや環境によって決定づけられると言われている。

生活の中で条件づけが極めて大きな影響力を持つことは当然のことして認めるがそれによって私たちが決定づけられている、あるいは、その条件付けからの影響を全くコントールできていないとなると、それは全く違う話になってしまう。

しかしながら現在、人はそのように決定づけられているとする3つのパラダイムが広く浸透しており、これらは個別にあるいは組み合わせて人間の性質や行動を説明するために使われている。

・遺伝子的決定論
・心理学的決定論
・環境的決定論

これらの理論は、パブロフの犬の実験に起因する刺激と反応のモデルに基づいている。

私たちは、ある特定の刺激に対して特定の反応をする様に条件づけられているということである。

しかしこの決定論というパラダイムは人間の本当の可能性を支える正しい原則と一致しているのか。

ナチスの収容所に収監されたビクター・フランクルはある日、裸にされ、小さな独房に拘禁されてしまった。そこで彼はナチスの兵士達が決して奪うことのできない自由ーー人間の最後の大いなる自由と彼は呼んでいるーーを発見したのである。看守たちは、確かに彼の置かれた今日の全てをコントローすることができたし、彼の体を思うがままにすることができた。しかし、フラ ンクル自身は、自分の状況を客観的に観察することができる「自覚」のある人間であった。彼の基礎的なアイデンティティーそのものは健全で、そこなわれてはいなかった。だからフランクルは その状況かで自分はどう影響されるかを自分で選択することができた。彼に起きた出来事はある いは受けた刺激と、それに対する彼の反応との間には彼の自由、すなわち反応を選択する力が存在していたのだ。

つまり、人間は刺激と反応の間に選択の自由を持っているということである。

この選択の自由の中にこそ、人間の人間たる四つの独特な性質〈自覚、想像力、良心、自由意志〉がある。

この人間の独特な性質ーー選択の自由ーー発見することにより、フランクルは正確な自己パラダイムを描き、効果的な人生を営む最も基礎的な習慣を身につけ始めた。

それは、主体性を発揮する習慣である。

主体性とはよく聞く言葉だが、定義が曖昧になっている場合が多い。

主体性を持つということは率先力を発揮するだけではなく、人間として自分の人生に対する責任を取るということである。

自分の人生に対する責任を放棄すると、反応的になる。例えば、反応的な人の多くは周りの物的な環境に大きな影響をうける。

天気が良ければ気分も良い。しかし天気が悪ければ気分も悪くなり、遂行能力も低下する。

主体的な人は、自分の天気を持ち合わせている。雨が降ろうが陽が照ろうが関係ない。

彼らの行動は価値観に導かれており、質の高い仕事をする価値観を持っていれば、天気がどうであろうと関係ない。

「自分の価値観に基づき行動する」ことは、主体的な人の最も基本的な性質と言える。

反応的な人は「その時折の感情、状況、条件付け、環境などに左右される」が、主体的な人は深く考え、 選択し、内面化した価値観に基づいて自らを支配するのだ。

自分の身に何が起きるかではなく、それにどう反応するかが重要なのだ。もちろん外的な環境要因によって、肉体的あるいは経済的に害を受けて悲しむこともあるだろう。

しかし、私たちの人格、基礎的なアイデンティティーそのものまでが、それに害される必要はない。

返って人生のつらく、厳しい経験によってこそ人格は形成され、内的な力が育成される。それによって難しい状況に対応する能力が高まり、ほかの人にも模範を示し感動と励ましを与えることができるようにな るのだ。

率先力を発揮することは、自分から進んで状況を改善する行動をおこすようにすることである。 ほとんどの人は問題の解決策には賛同するが、それに必要な努力を惜しむ。

つまり、それを実行に移す率先力に欠けているのだ。こういう人たちは、誰かが助けてくれることや何かが起こることを待っているだけだ。

しかし、最終的に良い仕事に就けるのは、主体的に問題解決に貢献する人だけなのである。こうした人たちは、正しい原則の範囲内で望む結果を達成するのに必要なことはなんでもするという率先力を持っている。

第二の習慣・目的を持って始める(自己リーダーシップの原則)

第二の習慣は、生活の様々な状況に当てはまるものであるが、最も基礎的な応用は、すべての行動を図るための尺度として、人生の最後の姿を描き、それを念頭に置いて今日という1日を始めることである。

成功の梯子を登り詰めて頂上に達した時、初めてその梯子はかけ違いだったと気づく人たちがなんと多いことだろう。

非常に忙しい毎日を送りながらも、その活動自体が、実は自分の最終的な目的とは何ら関係がないという可能性が大いにあるのだ。

目的を持って始めるということは、生活の中での様々な役割を果たすときに、明確な価値観に基づいて行動することである。自分の第一の創造に対する責任をとることである。

また自分の行動や態度を左右するパラダイムが、自分の最も深い価値観や正しい原則に合ったものになるように自分自身の脚本を書き直すということである。 それを踏まえたうえで、毎日その価値観をしっかりと頭において一日を始めるのだ。

そうすれば、様々な出来事や試練に出会ったとき、その価値観に基づき反応を選択することができるようになる。

誠実・廉潔に行動することができるようになる。その時折の感情や状況に反応する必要はなくなり、真の意味で主体的な人になることができる。それは、価値観が明確になっているからである。

ミッションを持っていれば、主体性を発揮する土台ができているといえる。そして自分の人生に方向性を与えてくれるビジョンと価値観を持つことになり、長期的または短期的な目標を設定する基本的な方向づけができあがる。

正しい原則に基づいた憲法を持つ人は確固たる中心を持ち、すべての決断をそれに照らし合わせ、自分の時間、才能、エネルギーを効果的に使うことができるのだ。

個人的なミッション・ステートメントを書くには自分の影響の輪の中心から始めなければならない。なぜなら影響の輪の中心には、自分の最も基本的なパラダイム、世界を見るためのレンズが 入っているからである。

自分のビジョンと価値観を考えることは、影響の輪の中心に働きかけることである。そのために「自覚」を使い、自分の持っているパラダイムを見つめ、それが正しい原則に合っているかどうかを確認することが大切である。

また、自分の「良心」をコンパスとして使いながら、独自の才能や貢献の可能性を発見するそして「想像力」を使い、自分の望む最終的な姿を描き、自分の努力に方向性と目的を与え、自分の憲法を明文化することができるのである。

正しい原則を自分の生活の中心に置けば、自分の安定性、方向性、知恵、力を開発していくためのしっかりとした土台を得ることになる。原則はそういう一貫した生活の中心になり得る唯一のものである。

原則中心の場合、ころころと変わる人やものに頼るような他の中心とは違い、安定性は原則の不変性に基づくものになる。そして、継続的にそれに頼ることができる。

第三の習慣・重要事項を優先する(自己管理の原則)

人間は、自覚、想像力、良心、そして自由意志という四つの独特な性質を持っている。

第三の習慣、つまり自己管理を可能にしてくれるのは、この自由意志である。それは意思決定をし、その決定に沿って行動する力である。周りの環境に左右されず、周りの環境に作用を及ぼし、自分の描いたビジョンを主体的に実行に移す能力のことである。

効果的なマネジメントの定義は「重要事項を優先する」ことである。

リーダーシップは「重要事項」とは何なのかを決めることであり、それに対して、マネジメントはそれを優先して、毎日、瞬間瞬間において実行することである。つまり、マネジメントは自制する力であり、実行力なのだ。

私の大好きな論文の一つに、E・M・グレーが執筆した『成功者の共通点』と題するものがある。

彼は、成功者たちに共通する要素の探究に人生の大半を費やした。その結果、熱心な努力や幸運、あるいは人間関係における手法などはどれも必要ではあるが、決定的な要因ではないということがわかった。

大切だったのは、「重要事項を優先する」というこの第三の習慣であった。

成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行なっているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ。

第三の習慣の本質ともいえる「感情を目的意識に服従させる」には、高い率先力、主体性が必要である。また、第二の習慣を身につけることによって得られる明確なミッション、方向性、価値 観、そして「ノー」 と言うことを可能にしてくれる大きな「イエス」が必要である。

それに加えて、自由意志、したくないときでも物事を実行する力、衝動や瞬間における欲望や感情ではなく、価値観に基づき行動する力が必要なのだ。それは第一の創造、つまり知的創造に対して、忠実に行動する力である。

・時間管理

「時間管理」という言葉自体を誤りと考える。なぜなら時間は管理できるものではない。

唯一管理できるのは、自分自身でしかないからだ。

第四世代では、物や時間に集中するより、「大切な人間関係」や「生活の役割」、あるいは「大切な目的の達成」に焦点を合わせている。

簡単に言ってしまえば、生活における「P/PCバランスをすを維持する」ための手法である。 この第四世代の時間管理の中心的な概念を、時間管理のマトリックスという図で示すことができる。

私たちの時間の過ごし方は、基本的に四つの領域に大別することができる。活動を定義する二つの軸は、緊急度と重要度である。

多くの人は第一領域の活動に完全に溺れてしまっている。そういう事態に陥っている人たちが逃げ込める唯一のところは、緊急でも重要でもない第四領域である。

だから、彼らの生活をこのマトリックスを通してみると、90%の時間は第一領域で過ごし、残りの10%は第四領域に入っている。

一方、第一領域だと錯覚して、実は、緊急であるが重要ではない第三領域に多くの時間を浪費する人もいる。この人たちは反応的であり、その生活は始終他の人の優先順位や期待に振り回されているだけである。

第三、第四領域で生活する人は、基本的に無責任な人生を送ることになる。

効果的に人生を営む人は、第三領域と第四領域を避けようとする。なぜなら、それは緊急ではあろうがなかろうが、重要ではないからである。そして、この人たちは第二領域に時間を投資することにより第一領域の問題をなくしていくようにする。

第二領域に集中することは、効果的な自己管理の目的である。第二領域は緊急ではないが、重要な事柄を取り上げているからである。

人間関係づくり、ミッションステートメントを書くこと、長期的な計画、運動、予防保全、予備などは、全てこの領域に入っている。誰もがこうした活動の大切さを理解しているはずである。しかし、それらは緊急ではないから、いつまで経ってもなかなか手がつけられないのである。

・デレゲーションによりP/PCの双方を高める

私たちが目標を達成するには二つしか方法はない。

時間を投入して自分で実行するか、他の人に任せるかのどちらかである。

他の人に仕事を任せることをデレゲーションという。自分で時間を投入する場合は「能率」を考え、人に任せる場合は「効果」を考えるべきである。

完全なデレゲーションは、手段ではなく結果に、焦点を合わせている。手段を選択する自由を相手に与え、結果に責任を持たせるのである。

当初は、他の方法よりも時間がかかる。しかしこれは、のちに何倍もの利益をあげるための投資と考えるべきである。

完全なデレゲーションを行うためには、最初から次の五つの事柄を明確に打ち出し、相互理解と決意を得るようにしなければならない。

・望む結果

出すべき結果について明確な相互理解を得る。ここでは、「どうやって」より「何を」が 大事である。つまり、手段ではなく、結果に焦点を合わせるのだ。この段階で十分に時間をかけることが大切である。

望む結果をイメージして、相手にもそれを想像してもらい、鮮明に描く。その結果がどう見えるか、またいつ達成されるかを、明確に文章で表現してみる。

・ガイドライン

結果を出すにあたり、守らなければならないルールがあれば、それを明確にする。こでのポイントはガイドラインはなるべく少ない方がよいということである。大きな制約があるならば、それを相手に教えるべきである。

目的を達成するためなら何をやってもいいと相手に感じさせて長年の決まりごとや大切な価値観を壊してしまう結果を招くのはよくない。

そうすることは、逆に相手の率先力を潰してしまう結果となり、再び、「どうすればいいのか教えてください。そうすれば、その通りにやりますから」といった指示待ち族のような態度を生み出してしまうからだ。

必ず失敗すると分かっているやり方があるなら、それも明確にしておく。正直に率直に話すことがポイントだ。流砂のある場所や猛獣のいる場所を相手に教えることである。

毎日、車輪をゼロの状態からつくり直すようなことは避けたい。今まで他人がしてきた失敗から学習できるようにしておくのだ。 しかし、ここでは、失敗するやり方やすべきでないことは指摘しても、「どのようにしろ」とは言わないことである。

結果についての責任は、あくまでも任せる相手にとらせるようにする。そのためには、ガイドラインの範囲内で必要な行動がとれるように、環境を整えることが肝要であ る。

・使える資源

望む結果を達成するために、活用できる人的、金銭的、技術的、組織的な資源 の範囲を明確にする。

・責任に対する報告

結果を評価するために使われる基準を設定し、評価する人は誰なのか、 報告と評価が具体的にいつ行われるのかも設定する。

・履行(不履行)の結果

評価の結果によってどうなるのか(賞罰)を設定する。これには金銭的な報酬、昇格・昇進、仕事や責任の範囲の拡大、組織のミッション全体と直結した自然の結果 などが含まれる。

公的成功

公的成功を考える前に、効果的な「相互依存」は、真の意味で「自立」という土台の上にしか成り立たないということを思い出して欲しい。つまり、私的成功(第一〜第三の習慣)が公的成功に先立つ。

近道を取ろうとした結果、無残にも壊れてしまった人間関係の破片が実にたくさん、私たちの前に散らばっている。それは人間関係を維持するのに必要な成熟と人格を育てずに、効果的な人間関係を作ろうとした(二面的な個別主義)結果なのだ。

しかるべき道を歩まなければならない。自分が自分に対して成功を収める対価を払っていなければ、人と共に成功することなど到底できるものではない。

自制と自己のコントロール(第一〜第三の習慣=私的成功)こそ、他人との充実した関係の土台になるのだ。 他人のことを好きになるには、まず自分自身のことが好きでなければならないと、よく言われる。

事実、自分のことを知らなければ、そして自分のことをコントロール、あるいは自制できなければ、自分のことを好きになるのは極めて難しい。

真の自尊心は、自らを支配する力、真の自立から来るものである。それは、第一、第二、第三の習慣の目的である。自立とは努力して達成するものだ。相互依存の関係は、自立した人にしかできない選択である。

真の自立を達成する意思の強さがなければ、人間関係のスキルをいくら磨いても、それは無意味で愚かなことであると言わざるを得ない。環境や条件が良ければ、ある程度の人間関係は作れるかもしれない。

しかし、困難が訪れた時ーーそうした時期は必ず来るーーその関係を保つ土台がなければ、人間関係が崩れてしまうに違いない。

人間関係づくりに最も大切な要素は、私たちが何を言うか、何をするかということではなく、 私たちはどういう人間であるのかということである

そして、私たちの言葉や行動が自らの中心 (人格主義)からではなく、上辺だけのテクニック(個性主義)に起因するものであれば、人は私たちの二面性を感じとることだろう。

そういうやり方では、効果的な相互依存関係をつくり上げ、維持するための土台は絶対にできない。人間関係に大きな力を発揮するテクニックが本当にあるとすれば、それは真に自立した人格から自然にあふれ出るものでなければならない。

だから、関係を築き始めるべきところはまず自分の内面であり、自分の影響の輪の中心であり、自分の人格を育てることである。自立するにつれてーー主体的になり、正しい原則を生活の中心におき、価値観に基づいて誠実に優先課題を計画し、それを実行する力を育成するにつれてーー相互依存を選び、 充実した、継続的で生産的な人間関係を築くことができるようになる。

「相互依存」における黄金の卵とは、人との活発なコミュニケーションによって生み出される相乗効果である。

そうした卵を定期的に手に入れるためには人間関係というガチョウを大事にしなければならない。

・信頼残高

銀行口座がどういうものであるかは、誰でも知っているだろう。それと同じように、信頼口座つまり信頼残高とは、ある関係において築かれた信頼のレベルを表わす比喩表現であり、言い換えれば、その人に接する安心感ともいえるだろう。

礼儀正しい行動、親切、正直、約束を守るなどの行動を通して信頼残高をつくっていけば、そこに貯えができる。

残高を高めることによって、必要とあらば、その信頼を何度でも頼りにすることができる。些細な間違いを犯しても、信頼のレベルや精神的な貯えがそれを補ってくれる。こちらのコミュニケーションが多少不明瞭でも、こちらの言いたいことを汲み取ってくれるだろうし、 言葉ひとつで気を悪くするようなこともないだろう。

信頼残高が高ければ、コミュニケーション は簡単で、効果的で、即時にできるものである。

・信用残高を作る6つの大切な預け入れ

1、相手を理解する

本当に人を理解しようとすることは、最も重要な預け入れの一つであり、すべての預け入れの鍵である。

まず相手を理解してからでなければ、その人とにって何が預け入れになるのかを知ることはできない。

あなたにとっては預け入れになるようなことーー一緒に散歩をする、食事 に出かける、プロジェクトに参加するようにさそうなどーーでも、相手にとっては全く預け入れにならない場合もある。

2、小さなことを大切にする

小さな心遣いと礼儀はとても大切である。小さな無礼や不親切、無神経は、大きな引き出しになる。

3、約束を守る

4、期待を明確にする

5、誠実さを示す

長期においては、正直かつオープンに人に接することの方が、人から信頼され、尊敬されるようになる。

6、引き出しをしてしまったときは、誠意を持って謝る

第四の習慣・Win-Winを考える(人間関係におけるリーダーシップの原則)

ほとんどの状況は相互依存の現実の中にあり、Win-Winを考える以外に現実的な方法はない。

Win-Loseは、その場では勝ったようにみえても、それで相手の気持ちや感情に害を及ぼし、お互いの関係に悪影響を与えることになり、現実的とは言えない。

例えば、私はあなたの会社の仕入先だとしよう。そして、あなたと取引き条件について交渉する場面で、私は自分の要求を押し通し、交渉に勝ったとしよう。

その結果、私は自分の今欲しいものを獲得することはできるだろう。しかし、はたして次回、あなたは私と取引きをしてくれるだろうか。私の短期的なWinは長期的に見ると Loseになり、再び取引きはできなくなってしまう。

つまり、このように相互依存の現実においては、長期的な観点から見れば、Win-Lose は Lose-Loseを意味する。

・Win-Winを支える五つの柱

Win-Winの原則は、すべての対人関係において成功するための基礎であり、五つの柱によって支えられている。

それは「人格」ではじまり、「関係」に進み、その中から「合意」が作られる。 Win-Winは、それを支える「システム」、組織構造の中で育成され、Win-Winの「プロセス」によって達成されるのだ。

Win-loseやLose-Winの手段で、Win-Winの結果をもたらすことはできない。

1、人格

人格こそがWin-Winの基礎であり、他のすべての柱はこれを土台にしている。Win-Winのパラダイムには、三つの必要不可欠な人格の要素がある。

①誠実・廉潔

誠実とは、「自分自身に置く価値だ」とすでに定義した。第一、第二、第三の習慣を実行することによって誠実さを高め、それを維持することができる。

本質的な意味では、自分の望んでいるWinは何なのか、自分の奥底の価値観に合うのは何なのかがわかっていなければ、自分の生活におけるWinを求めることはできない(第二の習慣、目的をもつことが必要)。

そして、他に対する約束をつくり、かつ守ることができなければ自分の約束や決意はすべて無意味なものになる

それは自分でも、他人も知っていることである。相手は、こちらの二面性を感じ取り、防衛的になる。

②成熟

成熟とは勇気と思いやりのバランスである。成熟した人とは、自分の気持ちや信念を表現する勇気と、相手の気持ちや信念を尊重する思いやりのバランスが取れている人のことである。

このバランスを確立していれば、相手の話を聞いて感情移入をすると同時に、勇気をもって自分の立場を主張することができる。

③豊かさマインド

これは、すべての人を満足させることが可能である、というパラダイムである。ほとんどの人は、欠乏マインドと私が呼ぶ脚本付を受けている。

「欠乏マインド」とは、人生を一個のパイと見て、他の人が大きな一切れを取ると、自分の取り分が減ると考える。それは、人生をゼロサムゲームとみるパラダイムである。

多くの場合、「欠乏マインド」を持つ人は、ひそかに他人の不幸を望んでいる(他人が成功した分パイが奪われていると考えるから)。そんなに大きな不幸でなくてもいいから、それが相手を上手い具合に抑制してくれればよいのである。

彼らは、いつも比較したり競争したりしている。 物や人を自分の所有物にすることで、自分の自尊心を高めようとし、その追及に多くのエネルギーを浪費する。他人を思いのままにしたいと考え、イエスマンやご機嫌とり、自分より弱い人 たちで自分の周りを固めようとする。

一方、「豊かさマインド」は、深い内的価値や安定、自尊心から生まれる物である。すべての人を十分に、あるいはそれ以上に満足させることが可能である、というパラダイムである。

「公的成功」とは、他人を負かすという意味ではない。それは関係づくりに成功することであり、関わっているすべての人が相互利益を獲得することである。

公的成功は、一緒に働き、コミュ ニケーションを図り、お互いが理解をし、成果を一緒に生み出すことである。

それは、各自バラバラの独立したパラダイムからは達成できない結果に至ることなのだ。公的成功は「豊かさマイン ド」のパラダイムから自然に発生する。

2、関係

Win-Winの関係は、人格という土台の上に立てられ、維持されるものである。

信頼残高こそが Win-Winの本質である。

信頼がなければ、できるのはせいぜい妥協くらいである。信頼がなければ、開かれた相互の理解は得られず、本当の創造力を発揮することもできない。

信頼残高が高ければ、人や立場ではなく、解決しようとしている課題そのものに集中することができる。

お互いを信頼しているため、開かれた雰囲気の中でコミュニケーションを図り、自分の本当の立場を相手に見せることができる。

若い女性と老婆の絵を使って行なった授業を覚えているだろうか。私が 若い女性の姿を説明するとき、あなたは、違う意見を持っていながらも敬意をもって私の話を聞いてくれるし、私は同じ敬意を払ってあなたの老婆の話を聞くだろう。お互いの意見、観点、立場を理解し、双方にとってより優れた答になる第三案、すなわち相乗効果をもたらすような解決策を見つけることができるようになるのだ。

Win-Loseを考える人と接するときでも、関係づくりが鍵を握る。集中すべきところは自分の影響の輪の中である。

誠意を込めて礼儀を尽くし、相手とその意見に敬意を示すことによって、信頼残高の預け入れをする。コミュニケーションのプロセスにより多くの時間をかけなければならない。

相手の話をさらによく聞き、深く理解しようとしなければならない。そして、より大きな勇気を持って自分の立場を表現する。反応的にならず主体性を発揮するのに必要な人格の力を自分の奥底から引き出すのだ。

本当に双方を満足させる案を真剣に望んでいるということが相手に伝わるまで、関係づくりのプロセスを続ける。このプロセスそのものが、大きな信頼残高の預け入れになるのだ。

土台になる人格と信頼がなければ、合意はは紙クズにすぎない。だから、Win-Winを求めるならば、それを可能にする関係を築くことに誠心誠意、取り組まなければならない。

3、合意

お互いの関係を育てたうえで、合意を作り出すことができる。それは、Win-Winの中身を定義し、それに方向性を与えるものである。

4、システム

組織の中では、Win-Winを支えるシステムがなければ、Win-Winは存続しないことになるだろう。

Win-Winを提唱している一方で、Win-Loseの行動に対する報い(褒賞・報酬・称賛・昇格など)が与えられている場合、成功することは稀である。

基本的に言えば、組織やグループの中に現れる行動は、報われる行動なのである。

5、プロセス

ロジャーフィッシャーとウィリアムウーリーという二人のハーバード大学教授が、交渉術におけるアプローチ法の分野で優れた研究を行なっている。彼らは「原則に基づくアプローチ」を提唱している。

a.問題を相手の立場から見る。本当に相手を理解するように努め、相手と同じくらい、あるいはそれ以上に、相手のニーズや心配・関心事を表現する。

b.対処しなければならない課題と関心ごと(立場ではない)を明確にする。

c.完全に納得できる解決には、どういう結果を確保しなければならないかを明確にする。

d.その結果を達成するための新しい案や選択肢を打ち出す。

第五、第六の習慣が、このプロセスの二つのステップに直接関わっている。

ここで言いたいのは、Win-WinのプロセスとWin-Winのそのものは、密接に関係しているという事である。

Win-Winの結果は、Win-Winのプロセスによってしか達成することができない。つまり手段と結果は全く同じなのである。

Win-Winは、個別主義的なテクニックではなく、人間関係における全体的なパラダイムなのである。

それは誠実、成熟、豊かさマインドを含めた「人格」から発生し、高い「信頼関係」によって育成される。また、それは期待像を明確にし、その期待を効果的に管理するための「実行協定」によって形づくられ、Win-Winを支える「システム」の環境の中で支えるのだ。そして最後に、 第五、第六の習慣でこれから勉強する「プロセス」によって達成されるのである。

第五の習慣・理解してから理解される(感情移入のコミュニケーションの原則)

人間関係について私が今まで学んだ最も大切な教訓を要約すれば、それは「まず相手を理解するように努め、そのあとで、自分を理解してもらうようにしなさい」ということである。

この原則が、人間関係における効果的なコミュニケーションの鍵である。

あなたの人格は常に周囲に向かって発信しており、長期の人間関係においては、相手はそこからあなたとあなたの行動を、本能的に信頼するかしないか決めているのである。

もしあなたに一貫性がなく、熟したり冷めたり、怒ったかと思うと優しくなったり、あるいは私生活と公の生活とが一致していないような人間だったら、あなたに本当の気持ちを打ち明けることなど、とても私にはできない。

私があなたの愛や模範をどんなに必要としても、自分の意見や自分に起こったこと、微妙な心の動きをあなたに見せることは、恐ろしくてできるものではない。そういう状態であるなら、お互いの関係はどうなるだろうか。

「理解してから理解される」ことには、大きなパラダイム転換が必要である。話をしている時、ほとんどの人は、理解しようとして聞いているのではなく、答えようとして聞いているのだ。話しているか、話す準備をしているか、二つに一つである。

聞いている話をすべて、自分のパラダイムというフィルターを通して、自分の自叙伝を相手の生活に映し出しているだけである。

相手が話をしている時、ほとんどの場合、無視する、聞くフリをする、選択的に聞く、注意して聞く、この四つのいずれかで私たちは聞いている。

しかし、この上の最も高い傾聴のレベル、感情移入をして相手の話を聞く人は少ない。 本当の感情移入は心のそこから理解するつもりで聞くことであり、まず相手を理解しようと努めることである。

例えば、あなたの今いる部屋の空気がすべて突然なくなってしまったら、この本にどのくらい興味を持ち続けられるだろうか。本のことなど、どうでも良くなってしまうだろう。空気のこと以外には、興味など全く失ってしまうだろう。

つまり、生存以外のことは動機づけにはならないということである。 しかし今、空気はある。だから今度は、空気をもってしても動機づけにはならない。これが人間の動機づけの中で、最も重要な成果の一つである。

つまり「満たされた欲求は動機づけにはならない」のである。満たされていない欲求が動機づけになるのだ。

本当に理解したいという気持ち、人格、相手との高い信頼残高、感情移入のスキルを身につけるまでは、他の人の見地に立って、その人の見ている世界を見ることは絶対にできない。このスキルの勉強には四つの段階が含まれる。

  • 第一段階、話の中身を繰り返す
  • 第二段階、話の中身を自分の言葉に置き換える
  • 第三段階、感情を反映する
  • 第四段階、内容を自分の言葉で言い、同時に感情を反映する

この感情移入による傾聴のスキルの第四段階に至ると、今まで経験したことのないようなコミュニケー ションが生まれる。

誠意を持って、相手を理解しようとし、話の中身を自分の言葉に置き換え、感情を反映するとき、相手に大きな精神的な空気を与えることができる。それは、相手が自分の思いと気持ちを整理できるように助けることになる。

あなたが本当に聴いて、そして理解しようとしていることが分かるにつれて、 相手が奥底で考えていることと、実際あなたに話していることのギャップが消えていく。魂と魂の交流が始まるのだ。

相手はあることを考え、感じながら別のことを言っているのではない。やがて、彼の中に、最も大切な思いや傷つきやすい内面を、あなたに見せてもよいという信頼感が出てくる。

人の言葉を深く聴くようになればなるほど、人と人との間には、ものの見方に大きな違いがあることに気がつくだろう。この相違は、相互依存状態に大きな影響を及ぼすものだ。

あなたが若い女性を見ているのに対し、こちらは老婆を見ている。そして、その両方が正しい。 あなたは妻中心の眼鏡で世界を見ているのに対し、私は経済中心、お金中心の眼鏡で見ている。 また、あなたは豊かさマインドの脚本づけを受けていて、私は欠乏マインドの脚本づけを受けているかもしれない。 あるいは、あなたはビジュアルで、直感的、全体的な右脳のパラダイムで問題に取り組むのに対し、私は左脳に集中しており、体系立てて考え、分析し、論理的に物事を処理しようとしているかもしれない。

ものの見方は人によって大きく異なっている場合がある。にもかかわらず、私たちは何年にもわたって自分のパラダイムで生活し、それを「事実」だと思いこみ、その「事実」が分からない人の人格や精神状態を疑問視してしまいがちになるのである。

さて、人は、このように様々な相違点があるにもかかわらず、一緒に何かを成し遂げようとする。結婚において、会社において、地域社会において、資源を管理し結果を達成しようとしている。そのためには、どうすればいいのだろうか。

個々人の知覚の限界を超えて、深いコミュニ ケーションを図り、直面する課題を処理し、協力し、Win-Winの解決策を打ち出すにはどうすればいいのか。 答えは第五の習慣である。これこそWin-Winの過程の第一歩である。

特に、相手が理解しようとするパラダイムを持っていないときは、こちらが相手を理解しようとすることが不可欠なのである。

人間にとって生存の次に大きな欲求は、心理的な生存である。それは理解され、認められ、愛され、必要とされ、感謝されることである。

感情移入をしながら人の話を聴く時、それは相手に精神的な空気を与えることになる。その大切な欲求を満たしたうえで、初めて相手に影響を及ぼしたり問題を解決したりすることに集中できるようになるのである。

この精神的な空気の欲求が、人生のすべての場面に影響を与えるのだ。

もしあなたが医者の診断を信頼していなければ、医者の出した処方箋通りの薬を飲む気にはなれないだろう。

第六の習慣・相乗効果を発揮する(創造的な協力の原則)

相乗効果こそが、原則中心リーダーシップの本質である。それは人々に内在する大きな力を引きだし、統一し、開放を促す働きをする。今まで話してきたすべての習慣は、相乗効果の奇跡をつくり出す準備に過ぎない。

高い信頼残高を持っているから、結婚生活において、開放的で率直なコミュニケーションができる。

Win-Winを考えているからこそ、第三案の存在を確信し、最初のいずれの提案よりも相互利益をもたらす案を探し出すことができるのだ。

また、感情移入しながら相手の話を聴き、まず理解しようとするからこそ、結論を出すにあたって検討しなければならない価値観の相違や、相手の不安などを、総合的に把握することができる。そして双方が同じ理解を持つことができるようになる。

この各要素(高い信頼残高、Win-Winの考え方、理解してから理解されるコミュニケーショ ン)を合わせると、相乗効果を作り出す理想的な環境ができあがる。 仏教では、これを「中道」と読んでいる。中道は妥協ではない。それは三角形の頂点のように、より高い次元の選択を意味する。

相互依存的な現実に置かれていながら、それに気づかず、問題解決を図ったり、決定を行ったりしている場合、人はどれだけのエネルギーを浪費してしまっているだろうか。

相手の罪を責めたり、対立したり、ライバルと戦ったり、政治的なゲームをやったり、自分の立場を守ったり、相 手がどう出るかを悩んだりすることに、どれだけの時間を費やしているだろうか。

それは、まるでブレーキを踏んだままアクセルも踏んで前進しようとするようなものである。

ここでの大きな問題は、相互依存的な現実にありながら依存状態に止まっている人たちが、成功を求めようとしていることである。自分の立場や地位から力を借りることに依存してWin-Loseを求めるか他の人に好かれたいということに依存してLose-Winを求めるか、その二つの選択肢のどちらかしか、その人たちにはない。

テクニックのレベルにおいては、Win-Winを口にするが、 実際は相手の話や意見を聞きたいわけではなく、相手を操りたいだけなのだ。相乗効果は、そういう環境で発揮されることはない。

相乗効果の本質は、相違点、つまり知的、情緒的、心理的な相違点を尊ぶことである。 相違点を尊ぶ鍵は、すべての人は世界をあるがままに見ているのではなく、自分のあるがままに世界を見ているのだということを理解することである。

つまり、自分だけが世界をあるがままに見ていると思い込んでいるならば、相違点を尊ぶ気持ちにはならない。なぜなら、「間違っている人」の話を聞くだけ無駄だと感じてしまうからである。

人は誰しも、自分は客観的だと考え、自分こそ世界をあるがままに見ていると思っている。そして、ほとんどの場合、他人は枝葉末節に埋もれており、 自分だけは大所高所から状況を把握していると思い込んでいる。

本当に効果的に人生を営む人というのは、自分のものの見方の限界をみとめ、他の人のパラダイムと考え方に接することによって得られる、豊かな資源を活用する謙虚さを持っている人である。

そういう人が相違点を尊ぶのは、その相違点こそが、自分の知識と現実に対する理解を増すものだと認識しているからである。自分の経験だけでは慢性的にデータ不足になってしまう、と知っているからである。

双方が、相手も正しいかもしれない、人生は二分法とは限らない、あるいは、ほとんどの場合に第三案が存在する、などの可能性を認めなければ、そうした制限を超えることはできない。

相違を尊ぶことによって、自分の認識を高めるのみならず、相手を肯定することにもなる。それは、相手に精神的な空気をあたえ、お互いのコミュニケーションにかかっていたブレーキを解除させることになる。

そして、相手が自分の立場を弁護することに投入していた消極的なエネルギーを消滅させ、相乗効果を発揮する環境を作り出すのだ。

生態系という言葉は、基本的に、自然界のもつ相乗効果を表現するものである。あらゆるものが、他のすべてのものと関係しあっている。そうした関係の中で、創造的な力が最大限に生かされる。

「7つの習慣」の本当の力は、個々の習慣にあるのではなく、その相互関係にあるのだ。

第七の習慣・刃を研ぐ(バランスの取れた自己新再生の原則)

第七の習慣は刃を研ぐ時間をとる習慣であり、個人のPCである。

それは、あなたの持つ自分自身という最も大切な資源を維持することであり、つまり自分の中にある自然から授かった四つの側面〈肉体的側面、精神的側面、 知的側面、社会・情緒的側面〉のそれぞれを再新再生させることである。

1、肉体

肉体的側面で刃を研ぐことは、自分の体を大切にすることである。バランスの取れた栄養のある食事をとり、十分な休養を心がけて、定期的に運動することである。

2、精神

精神的な側面を最新再生することは、 人生に自己リーダーシップを発揮することである。

この側面の最新再生は、第二の習慣と非常に深く関係している。 精神的な側面とは自分の核であり、中心であり、価値観に対して決意することである。

これは極めて個人的な領域であり、かつ、人生において最も大切なものである。

3、知性

一度学校を卒業してしまうと、多くの人の知力は弱体化の道を辿る。

つまり、真剣な読書をしなくなり、自分の専門を超えた新しい分野の探究も分析的な考察もせず、書くことさえもしなくなる。そして、深く分析した上で、明確かつ簡潔に自分の考えを表現する力を試そうともしない。

4、社会・情緒

社会的側面と情緒的側面は、互いに結びついていると言える。なぜなら、私たちの情緒的な側面は、基本的に他の人との関係によって育成され、表現されるものだからである。

第四から第六の習慣を成功させるのは、知力より、主に情緒的側面であり、自分の内的安定性と自尊心である。自分の安定性を自分の中から得ている人は、公的成功の習慣を実行する力を持っていることにある。

なぜなら、情緒が不安定な人は、いくら知力が優れていても、生活の中で大きな問題に直面し、その問題について違う考えをもっている相手と接した場合、第四か第六の習慣を実行しようと努力したところで、相手の相違点を大きな脅威に感じてしまい、 どうしても本当の相乗効果を生み出すことができないからである。

では、この内的な安定性はどこから来るのだろうか。それは自分の中から生まれるものである。つまり、自分の精神と心に深く根付いた、正確なパラダイムと正しい原則に従って生活することから、もたらされるものである。

インサイドアウトの誠実。廉潔、自分の習慣と自分の最も深い価値観を一致させた生活から、もたらされるのである。私は、自分の価値観に対して忠実に生きることこそ、自尊心を呼び起こす源だと確信している。心の平安は、自分の生き方が、正しい原則とそれに基づいた価値観とに調和しているときにのみ得られるものである。

他の方法はありえない。効果的に相互依存的な生活を送ることも、有意義で人の役に立つ奉仕も、内的な安定性を与えてくれる。

「7つの習慣」における相乗効果

肉体的側面の再新再生をすることにより、自制と責任感(第一の習慣)が強められる。つまり、自覚と自由意志の力が高まり、環境に作用されるより、環境に作用を及ぼすことができる人間になる。

そして、どんな刺激に対しても自分で反応を選択し、自分の本当の可能性を反映した自己パラダイムを形成していくことができるようになるのである。

これこそ運動の最大の恩恵であろう。 毎日の私的成功のひとつひとつが、個人の自尊心と内的安定性の口座に対する預け入れになるのだ。

精神的側面の最新再生を図るとき、自己リーダーシップ(第二の習慣)が育成される。つまり、あなたは初めて、記憶に縛られるのではなく、想像力と良心を活かして生活を営むことができるようになる。

自分自身の中心的なパラダイムと、最も深い価値観を理解することによって、正しい原則を生活の中心におくことができる。

そして、自分独自のミッションを定義し、正しい原則に沿って生きるために自分自身の古い脚本を書き改め、自分の内的な力の根源を育成することができるようになる。精神的な再新再生を行なうことによって生み出される豊かな私生活が、自分の自尊心という口座の大きな預け入れになる。

知的側面の再新再生は、自己マネジメント(第三の習慣)を支えるものである。計画を立てることは、波及効果の大きい第二領域の活動を考えさせ、優先課題を明確にし、時間とエネルギーを最大限に活用できるようにしてくれる

そして、そのようにして決めた優先課題を中心に計画し、実行するようになる。継続的に学習を行なうことによって、自分の知識のベースはさらに豊かになり、選択肢が広がる。

自分の経済安定は、今の仕事や会社に依存するものではなく、自らが持っている生産能力から生み出されるーー考え学習能力、創造、変化対応能力ーーものである。それが本当の意味での経済的自立である。

本当の安定は、 財産を持つことではなく、財産をつくり出す能力を持つことである。つまり、外的なものではなく、内的なものなのである。

毎日の私的成功は、肉体的、精神的、知的側面で、毎日少なくとも一時間の再新再生を行なうことである。 これこそが、「7つの習慣」を身につける鍵であり、完全にあなたの影響の輪に入っていることである。

この「毎日の私的成功」は、「7つの習慣」を生活に取り入れて、原則中心になるための第二領域の大切な時間の投資である。

また、「毎日の私的成功」は公的成功の土台でもあり、社会・情緒的側面で刃を研ぐのに必要な內的安定性の源になる。

そして、それは相互依存状態において影響の輪を拡大し、人と接するときの「豊かさマイン ド」を育成し、相違点を歓迎し、ほかの人の成功を心から喜ぶことができる個人的な強さを与えてくれる習慣となる。

真の理解を求め、相乗効果的なWin-Winの解決策を探し、第四、第五、第六の習慣を実行する基礎が、生活の中にできあがるのである。

個人的なエクストリームまとめ

私的成功

(私的・公的)成功を目指すことは、長期的に取り組むべき道のりを進むことを意味し、長期的な道を進む上では、表面だけを取り繕ったような小手先のテクニックは通用しなくなる。

それは、短期的な人間関係には多少の効力をもたらすかもしれないが、長期的には内からくる二面性(嘘)がバレてしまい、効果性は乏しくなる。

そんなことをするよりも(初めは)多少時間がかかるが、原則に基づいた人格を体得した方が、それ以降どの瞬間においても二面性がなくなり心から正しい・誠実な行動を起こすことで、人生を長期的に成功に導いてくれる。

(私的・公的)成功を治めるためには7つの習慣を体得する必要があり、そのためには時間や労力が必要になる。しかしこれを体得しない限り、長期にわたる(私的・公的)成功はありえない。

人生には目的(目標達成)と、それを達成するための能力(目標達成能力)の2つがある。この両者のバランスが整っていることが重要で、どちらかに傾いてしまっていると、バランスは崩壊し、そのどちらともが崩れ去ってしまう。

7つの習慣はこの目標達成と目標達成能力のバランスを調整する役割も担っている。

第一の習慣 主体性を持つ、自己責任の原則

頭と率先力を使って、自分の正しい価値観に基づき、自分のコントロールできる範囲をコントロールして行動する。

刺激に対して動物的に即座に反応するのではなく、4つの性質〈自覚、想像力、良心、自由意志〉を使って人間的に反応する。

志や目標を持っていれば、その価値観に従って行動ができる。 受動的な反応的な指示待ち人間になって生きてしまうと、自分の人生のハンドルを誰かに操作されるままに、流された人生になってしまう。

そうではなく、きちんと自分の人生のハンドルは 自分で握って生きる。

第二の習慣 目的をもって始める、自己リーダーシップの原則

ゴールを設定しなければ、どこに向かうべきかわからない。

そうして、ガムシャラに向かったところで最後、自分が到達すべき場所はここではなかったと思うのは全くの無駄である。 だから毎日、自分のゴールを明確にして確認しておくことが重要。

そしてこうした明確なゴールがあるからこそ主体性も発揮できる。いざというときにしっかりとした判断ができ、また主体性を持って選択、行動して生きていくことができる。

生活の中心にこの価値観(原則)を置いておけば、それはぐらつくことのない全ての土台になる。

ミッションステートメントを作り、それに沿って生活し、時折見返しては改善する。

第三の習慣 重要事項を優先する、自己管理の原則

目的を設定し、主体性を持って行動する。

しかし、人生にはたくさんの自分のコントロール外の出来事が降ってくる。それも同時に処理していかなければならない。その時、些末な雑事にかかり切って人生にとって大事なことをおろそかにしていてはいつまで経っても私的成功はなし得ない。

要は、自己管理能力が必要になる一番大切なことは、重要事項を優先すること。

(仕事も同様にたくさんのtodolistの中から80対20の法則を意識して、効果性のある20%に集中して重要なことを処理する)

第二領域(重要ではあるが緊急ではない)に最も多くの時間を割くこと。そうすることで、最初は時間がかかるが、質量転化したときテコの原理が働いて人生に大いなる効果をもたらす。

それと同時に第三、第四領域は人生から排除していくこと。 自分の能力の輪を超えているものは、きっぱりと否定をして、自分の時間を確保すること。 デレゲーションを大いに活用すること。その場合の5原則も忘れない。

物事をなすときは、

・本当にそれをする必要があるかを確かめる(80対20)。

・他人にもできることは他人に頼む(デレゲーション)。

・安易に物事を引き受けない(拒否)。

・自分しかできないことに集中し、本当に能率的にできているか、再検討しながら実行する(時間の質を高め、ベストプラックティス)。

・そして何よりも重要事項を優先する。

公的成功

私的成功なくして公的成功はなし得ない。人が目指さなければならないのは、個人的な成功ではなく、その先にある、公的成功。生きてる上で私的成功を通過するのは当たり前のことであり、ここを通過しない人生というのは、自らの人生を生きていないようなもの。他人任せの人生を生きることになる。

公的成功を考えた時、一番重要なのは、良好な人間関係。これなくして公的成功はなし得な い。

それではどうやって良好な人間関係を構築するのか、それは、私的成功の上に成り立つ、自立した誠実な人格をもって初めて成す。よってまずは第一から第三の習慣を体得して私的成功を収めなければならない。

私的成功を収めると、信用残高を貯めることができ、これは他の人と一緒に効果的に働く公的成功の領域に入る用意ができたことになる。信頼がなければ友情はなく、誠実さがなければ信頼はない。

ただ本を読んでいて自分は成功するための対価を十分に払っていると勘違いしてはならない。それはあくまで方法、手段を学んだに過ぎない。実行(人生にアウトプットする)して(時には失敗して学び、改善することもあるだろう)初めて対価を払っていることになる。

第四の習慣 Win-Winを考える、人間関係におけるリーダーシップの原則

私的成功を経て公的成功へと移る。公的成功とは他人や社会といった周りと一緒に成功をするもの。そこには必ず他者が絡み、他者が絡むということは、良好な人間関係構築が必要になる。

その大前提として、Win-Winしか他者との長期的に良好な関係を築けるものはない。

Win-Winは、信頼たる人格(誠実、成熟、豊かさマインドを兼ね備えた)を土台にしている。

信頼たる人格は第一から第三の習慣で得られる。 そして、その(十分に信頼残高を貯めている)両者の間に、合意、システム、プロセスがあって初めてWin-Winは成立する。

相手を信頼しているから、相手を理解しようとする。逆も一緒で、自分が信頼にたる人間であるから、相手は自分を理解しようともしてくれる。

第五の習慣 理解してから理解される、感情移入のコミュニケーションの原則

第一から第三の習慣で人格を形成した。第四の習慣で公的成功には長期的に良好な人間関係を構築する必要があり、それはWin-Winの関係以外にあり得ないとわかった。

そしてWin-Winの関係を進めるために必要なのが、相互理解である。

この世にはパラダイムが存在する。個人一人一人が自分の信念、正義、善悪といったパラダイムのフィルターをもち、そのフィルターを通して、世界を覗いている。全く同じものを見ても、両者で別々の意見が出ることがある。

そして、重要なことはそのどちらもが正しいということだ。自分は自分が正しいと信じ、相手も自分が正しいと信じていると、一緒に何かを成し遂げることはできない=Win-Winの関係を作れない。

だからこそ、相互理解が必要になる。相互理解をするとき、最も重要な教訓が、まず自分から相手を理解しようとすること、そして理解してもらう、この順だ。

自分は自分しかコントロールできない。決して相手をコントロールすることはできない。また、相手が理解してくれない、パラダイムをわかっていない、と嘆いても解決は進まない。主体的 に率先力を駆使して解決しようとするとき、自分が相手をとことん理解することから始めなければならない。

しかしこの理解しようとするプロセスも相手にとって信頼残高を貯めるプロセスになる。そうして、相手を心から理解しようとしたとき、相手がこちらの誠実な人格に心を開いてよいと思った時、ようやくこちらに理解をしめしてくれるようになる。相手を理解する時に必要なのが、感情移入して相手の話を聞くこと。

第六の習慣 相乗効果を発揮する、創造的な協力の原則

この相乗効果までいかないと、僕たちはずっとエネルギーの奪い合いに陥ってしまう。また、テクニックは短期的に効果はあっても長期的には続かない。内心に隠している二面性はいずれバレる。

それ以上にテクニックを利用することはその裏に相手を思い通りにしたいという心理があり、これは誠実な人格を形成しない。誠実な人格を形成しない以上、Win-Winをもたらすことはない。

表面的にはWin-Winかのように見えても、それはどちらかにLoseが隠されている。

Win-Win以外に人生に良い効果をもたらすことはない、つまり、公的成功には達することができない。

人格を磨き、Win-Winを前提にし、相手を心から理解することに努め、パラダイムの存在、自分がフィルターを通して世界を見ていることを自覚し、他者との相違点を尊ぶことができれば、必ずWin-Winに至るための、妥協案ではない第三案を見つけることができ、両者間に相乗効果を生む。これこそが公的成功の境地である。

第七の習慣 刃を研ぐ、バランスのとれた自己新再生の原則

第一から第三の習慣で私的成功を、第四から第六の習慣で公的成功を生むことができる。 ただ、一番重要なのは、この習慣を実施するのは自分だということだ。自分自身が公的成功に至るまでの最大資源なのだ。

習慣を強固なものにするためには資源である自分自身の強化が必要である。要は、私的・公的成功というPだけにバランスを割くのではなく、PCである自分自身にもバランスを割かなければならない。

自分自身の資源を維持する上で大切なのが、肉体的、精神的、知的、社会・情緒的側面である。

健康を維持し(食事、運動、睡眠)、精神性を高め(瞑想)、読書・勤勉に勤め、心の安定を保つ(ミッションステートメントに沿って生きる、奉仕活動を行う)ことで、自分自身を磨き強化することができる。

こうして目標達成能力となる自分自身をさらに磨くことで、再び第一の習慣からさらにレベルを上げて取り組むことができるようになり、ひいては、今まで以上に大きな公的成功の達成に繋がる。

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