オーストラリアのレストランで経験した日本では起きないこと

オーストラリア

こんにちは!バックパッカーのトモローです。

 

僕は数年前にワーキングホリデーを使ってオーストラリアのレストランで働いていたことがあります。

昼はキッチン、夜はホールで働きました。

今から思えば、よく僕の英語力でホールスタッフとして雇ってくれたなと思いますが。

オーストラリアに限らず、外国で働くと、日本との違いを大きく感じます。

今日は、そんな中でも僕がよく覚えているエピソードを5つシェアという名の備忘録として残しておきたいと思います。

 

電話しながら食べる女性

ある日、一人の女性が来店されました。

カウンター席に案内し、オーダーを一通り受けると、女性はポケットからスマホとイヤホンを取り出しました。

まあ、食事が運ばれてくるまでの暇つぶしではよくある光景なので、特に気にしませんでした。

すると、どうやら誰かに電話をかけている様子。友達なのか、笑いながらお喋りを楽しんでいました。

そうこうしている内に料理が出来上がり、お客様の元へ運ぶと、女性は目で「ありがとう」という合図を送ると、そのまま食事を始めてしまいました。

電話はつなげたまま。笑

友達と来て会話しながら食べるのはわかりますが、電話で会話しながら食べる人を僕は初めて見ました。

でも、本当に楽しそうに笑いながら喋って食べてる姿を見て、こういうのもありだなと感じました。

ただ、静かな日本のレストランでやるとちょっと周りの視線が気になりそうですが、オーストラリアだからできるのかもしれません。

 

怒らないお客

外国で働いて日本と一番の違いを感じるのは、お客と従業員の距離というか立場の違い。

日本はお客様は神様精神が明治初期の商業の発展から日本全国に広まった。

外国にはそういう感覚がないので、あくまで個人と個人のやりとりとなる。

ある日、僕が4人の若者のテーブルに水をサーブした時のこと。

お盆に4つ水の入ったグラスをもって行き、一つ一つをテーブルに置いていたところ、少し狭い通路で人とぶつかりそうになり、よけた拍子に残りの一つのグラスがテーブルの上に倒れてしまった。

グラスの水はこぼれ、テーブルの上は一瞬で水浸しに。

幸い料理はまだなにも運ばれていない状態だったのと、水はテーブルの上だけでお客様にかかることがなかったので良かったのですが、よく見ると一人のお客のスマホに水が豪快にかかってしまっていた。

「Oh my god!」(これ、お客じゃなくて僕の言葉。笑)

スマホの持ち主の男の子はサッとスマホを拾い上げ、Tシャツにこすってスマホを拭く。

僕が何度も謝ると、彼は自分の手でそれを遮ってこう言いました。

「こいつはギャラクシーの防水性だからなんの問題もないぜ!」

友達はみんな爆笑。それから友達も、「もっと濡らしてやればよかったのに!」とか「彼のスマホのことは全然気にしなくていいよ」とか、優しい言葉をかけてくれる。

これが日本だったらこうはならないだろうなと思いながら、僕は彼らに謝罪と感謝の言葉を述べた。

男の子たちが食事を終えて出ていく際にもう一度だけごめんねと声をかけると、「何のことだい?」と、その頃にはもうとっくに水をこぼしたことすら忘れてしまっていたのには驚きました。

 

隣の席の他人でもすぐに会話する

その日はかなり忙しい曜日だったので、席は満員で、相席を頼んで座ってもらうほど。

4人テーブルを男の子2人で使っていたので、横に詰めてもらい、新しくきたカップルをそこに通しました。

男の子2人は若くてとてもカジュアルな装いに比べ、カップルは美男美女でどこかのパーティー帰りのような決まったドレスアップ姿だったので、その4人が同じ一つのテーブルについてるのが少し面白かった。

そうしてしばらくすると、なにやらカップルの男性が彼女の手を握り少し申し訳なさそうに何かを告げ、次に隣の男の子達に声をかけた。

僕はどうしたんだろうと不思議に思い見てると、男性は携帯を持って立ち上がると外に出ていってしまった。その時にカウンターに一言電話で席を外すけど良いかと断ってくれたので、仕事の電話だと理解できた。

しかし、その彼が一向に帰ってこない。

2時間くらいは経ったと思う。

その間、彼女はどうしてたのか。そう、隣の男の子達と一緒に会話と料理を楽しんでいたのです。カップルが頼んだ料理も三人でシェアして食べていました。

多分、僕の推測ですが、カップルの男性は仕事の電話かメールが届き、これは時間がかかると思い、まず彼女に謝って、それから隣の男の子達に彼女の話し相手になってあげてくれないかと頼んだのだと思います。

そしてカップルの男性が戻ってくると、4人で会話を楽しんだ後、一緒にお会計して出て行きました。多分意気投合し一緒にどこかで飲み直すようでした。

それにしても男性のスマートな対応、紳士ですね。

 

目の前で手紙を交換

その日もお店が忙しく、席は満席状態。

たまたま空いたお店の中央の席に若いカップルを通しました。

一通り注文をすると、二人は話すこともせずに見つめあって微笑むばかり。

そのあと、なにやらお互いカバンの中をガサゴソ。

二人は手紙を取り出すと、お互いに交換しあって、いきなり読み始めました。

満席のお客さんの会話や、厨房の料理の音、そんな音に囲まれながら彼ら2人の空間だけ静寂に包まれているようでした。

お互い微笑みながら相手が書いてきた手紙を読む。

読み終わると、手を取り合って、ようやくそこで初めて会話を交わし始めました。

手紙に何が書かれていたのかはわかりません。

ただ、本当に二人だけの空間がそこに存在しているようでした。

 

彼にチップを

僕はあまり英語も話せないし、レストランのホールの経験もそんなにありません。

そんな僕が海外のレストランでホールの仕事としてできること。

それは愛嬌持って誠実に働くことしかありませんでした。ホールに立ったら出来るだけ笑顔に努めました。

また、どんなに小さなアイコンタクトも見逃さないようにしました。

(日本人が当たり前のように道徳を身につけているように、海外では社交マナーが身についています。海外では日本レストランのように、「すみませーん!」なんて大きな声をあげて店員を呼びつけるようなマナーの悪い客はあまりいません。店員が忙しく無いか、呼んでも大丈夫か、お客さんは目で従業員と会話します。なので、僕達はその視線を見落とさないように注意深く観察する必要がある。)

この2点を注意して働いていると、ホールをくまなく笑顔で歩きながら、お客さんのテーブルを見て食べるスピードとテーブルに並べられた品数をチェックし、その後お客さんの顔(目)を見るようになります。

ある日、一人の女性が何度も何度も僕のことを見ているのに気が付きました。

僕も視線が気になり、次に目が合った時に「May I help you?」と尋ねてみました。

しかし彼女は「いいえ、なんでもないわ!」と取り繕うようにして一緒に来ていた彼とまた話し始めた。

そうして食事を終えて彼がお会計をしている間もチラ、チラと僕の方を見ている。

もしかしたら、何かやらかしてしまったのかもしれないと思いました。

案の定、そのお客さんが返った後マネージャーに呼ばれました。

僕は何のミスをしたか思案しながらマネージャーの所に向かうと、マネージャーはこう言いました。

「さっきの女性が彼の笑顔にってチップくれたよ。」

なんと、僕は彼女に対して特別な接客などしていません。ただ、僕は働いている間は意識的に少し口角を上げ笑顔を作っていたのですが、その努力に対してチップをいただけたのです。

実は他にも何度か同じことがオーストラリアではありました。別に、僕の勤務態度を自慢したいわけではありません。笑

こんな風に、小さな努力もお客さんが評価してくれる。こういうことがあると明日からも頑張ろうって思えますよね。

チップ自体はお店としてもらっても、個人としてもらっても一度お店で全部集められてから全員に平等に分配されてしまいます。

でも、チップの額じゃ測れない大きなものをいただいた気持ちになれます。

 

オーストラリアのレストランで働いた経験は僕にとって今でも忘れられない経験です。

ホールでは様々なドラマが起こるし。

お客さんと意気投合して仕事終わりに飲みに行ったり。

従業員とも一緒にパブで1,2杯飲んでから仕事をしたり。

有名なハリウッドスターと会えたり。

レストラン本に僕の写真が載ったり。笑

ずっと日本で生活していたら絶対に知りえなかった世界です。

特に日本で働くと、色んな事に制約があったり、壁があったりするように感じるけど、海外で働くとそういった壁が一切なくなる。

ああ、こんな働き方をしてもいいんだって思えるようになる。

もしこれを読んでいる方が30歳以下なら、まだワーホリのチャンスはあります。

(オースは最近35歳まで引き延ばされましたね。)

人生に一度くらい海外で勉強したり、働いたりする経験をしても良いかもしれません。

そうやって自分の物差しの幅が広がれば、これからの人生の選択肢の幅も広がるように思います。