インドで出会った物理学者との話

インド

こんにちは!バックパッカーのトモローです。

 

今日は、インドを旅した時に出会った数学者とのお話。

たまたま、昔旅していた時に使ってた手帳をめくっていたら彼との思い出が見つかって思い出しました。

インドのジャイプルにあるトニーゲストハウスに泊まっていた時のこと。

いつものように宿の屋上に行くと、なにやらオーナーのトニーと親しげに話している外国人がいた。

自己紹介すると、彼はイギリス人で物理学者だとわかった。

なんだかひょろっとしていて、いつも笑顔でひょうきんな印象の彼が物理学者だとは全く想像できないのだけど。

何度かインドには訪れていて、ジャイプルではこのトニーゲストハウスが常宿なのだと言っていた。

そして今回は、インドで発見されたと言われている0(ゼロ)の概念について調査をするべく訪印したのだという。

ほう。物理学者とはそんな名目で旅ができてお金がもらえる仕事なのか、と当時の僕は考えていた。笑

そんなある日、屋上で宿泊者を集めてパーティーをしようということになり、ゲストが色々とご飯を作って持ち寄る会が開かれた。

その時に、ふと隣り合わせになった彼と、普段ならこんな会話自分からしないのだけど、お酒の力もあってか、僕から声をかけた。

「ヘイ、君は物理学者なんだよね。実は僕は昔からずーっと、ずーっと気になっていたことがあるんだ。誰に聞いてもわからないんだけど、物理学者の君なら答えられるかな?」

「まあ、僕にわからないことなんてないよ。君の質問は何だい?」

なんて、強気なんだと一瞬思ったけど、それよりも僕は自分の疑問の答えが知りたくて、そんな彼の態度はさておいて、すぐに質問をぶつけた。

「実は、僕は一卵性の双子なんだけど、声以外全く似てるところがないんだ。顔も、身長も、頭脳も、性格も。全く同じ遺伝子だということは、全く同じ人間と考えて良いのに、なぜ同じ遺伝子でこんな違いが生まれてしまうのか、ずっと疑問なんだ。」

さあ、彼はなんて返してくるのだろうか。

僕は身構えていたが、彼は答えるのに1秒もかからなかった。

「だって、それは当然さ。DNAは一緒でも原子までは一緒じゃないだろう。ならば君たちは別人さ。」

そうか!僕は彼が一瞬で出した答えが、心の中でストンと落ちるのを感じた。

DNAレベルでは一緒でも、それを構成する原子レベルで見ると僕達は別の原子で成り立っている。

一卵性双生児の双子と言えど、僕達は別人なんだ。

他人の人からすると、双子でも別人なんて当たり前でしょ?と思われるかもしれないけど。

当事者の双子、しかも一卵性双生児の僕からすると、あまりそんな感覚を持っていなかった。

どこか、僕達は二人で一つ、そういう存在なんだって。

この物理学者の彼が答えてくれた「君たちは別人さ」という言葉を聞いた時、ようやく僕はその時、独立した一人の人間になった気がした。

その一瞬で、彼のことを「すごい!」と思ってしまった僕は、その後も普段から疑問に思っていたこと、特に宇宙について(それは彼が物理学者であるから)質問攻めにしてしまった。

ネットでも知りえなかった(出会えなかった)答えを持つ人間がこの世にいるのだとわかったし、やはりネットが全てではないのだとも思った。

こうやって、色んな人に出会えるから、旅は面白い。

 

なんか、時にはこんな短くて軽い思い出話を書くのもありかな〜と。