【幸福】幸福学の授業まとめ

幸福

こんにちは!トモです。

このブログは主に、人生の黄金時間に当たる大学生活を送られている方に向けて、自分自身が大学生の時に知っていたら嬉しかったな的な知識を発信しています。

3年半バックパッカーで世界を旅した経験と今まで3千冊以上の本を読んで学んだことをベースに記事を書いています。

今日は少し面白いyoutube動画を見つけたので、そちらの共有と内容を簡単にまとめてみました。

それがこちら「幸せのメカニズムー実践・幸福学入門」

2015年の動画なので、かなり前のものですね。

実は知らないうちに著者の本を読んだことも、内容を聞いていると「あれ、知ってるぞ」となりました。笑

が、改めて自分の頭の整理にもなり、良い機会となりました。

「幸福学」ってどんな学問やって感じですが、確かに学問としては全人類に必要な学問なので、必修授業ですね。

最近、ホルモンと幸せの関係などについても考えたりしていたので、自分の最近の思考にもマッチしててとても面白かったです。

ということで、ここからは、登壇者の前野さんのお話に勝手に自分なりの解釈も交えたエクストリーム要約でお届けできればと思います。

幸福には二種類ある

Youtubeで説明されている内容に個人的解釈を付け足したもの

地位財・非地位財と特徴①

前野さんは幸福には二種類あるとし、それが地位財と非地位財だと分けていました。

地位財

表にまとめた通り、地位財とは他者と競争したり比較できる財のことで、会社のポジションとか、貯金はいくらあるかとか、所有している家や車のグレードだったりを指します。

これらは全て他者と比較でき、また勝った負けたと競争できるもの。

非地位財

地位財とは対照的に、非地位財とは他者と比較したり、競争しにくいもの。

たとえば健康度だったり、自由や愛、友情といったもの。

これらは個人がどのように感じているかによって違うので、あの人の方が自分より健康だとか、愛情を受けているとかは少し測りづらいですよね。

ホルモンで考えると

これはYoutubeの内容には入ってないのですが、地位財、非地位財の性質を見たときにふと自分の中で思ったんです。

これはホルモンでも分類できそうだなって。

地位財のような他者と競争して獲得し満足感を得る幸せはどちらかというとドーパミン的快楽に分類されそう。

非地位財のような個人の健康や自由、愛情や友情はセロトニンやオキシトシンから生まれる幸福感に分類されそう。

特徴②:効果の持続

最近よく「モノ消費よりコト消費」という言葉が流行っていますよね。

つまり、物を買う幸せよりも経験による幸せを大事に使用的な。

物を買うと確かに買った直後は幸せを感じるそうです。しかし、それには持続時間があるそうで。

たとえば車で半年、家で1〜2年と言われています。それらよりも安いものになると持続時間はもっと短くなる。

家はよっぽどのお金持ちでなければ人生に1度買うかなってレベル。車でも新車であれば2、3回じゃないでしょうか。

そんな高い買い物をしても、それぞれ幸せを感じていられる時間は半年とか1年しかもたない。

それよりもかかるお金は安くても、経験の方が実は幸福を感じていられる時間は長いそうです。

確かに、自分も世界一周の経験をしましたが、日本に帰国して10年経ちますが、いまだに昨日のことのように鮮明に思い出せるし、思い出すたびに幸せになります。

なので、物で幸福を得るのではなく、長期持続する経験で幸福を得ようという考え方ですね。

特徴③:時代の流れ

特徴②の説明にも被りますが、今時代はミニマリズムや断捨離がずっともてはやされていますね。

物を減らして豊かに暮らそう的な。

なぜ物を減らすと豊かに暮らせるのかについては他の記事でも書いてるので、お読みいただければ嬉しいです。

たとえば日本でいうと、物質的に豊かな時代、豊かでない時代はあったと思いますが、戦後焼け野原で一度リセットされた。

圧倒的な物資不足な世の中になり、食べる物にも困った時代。

そこから高度経済成長期に入り、物があることこそ、豊かさの象徴となった。

豊かであることは幸せであることだという神話がここで作り上げられた。

実際に、クーラーがないよりはあったほうが快適、テレビがないよりはあった方が楽しい、洗濯機や掃除機がないよりあった方が楽。物があることが人生を豊かにしてくれた時代は確かにあったのだと思います。

そしてそれらが当たり前にある時代に生まれた僕たちは、あることに慣れてしまっているから、ない不便さを知らない。

なので、あることの有り難みを感じられなくなっているのも確かだと思います。

3年半世界を旅して日本に帰ってきた時、お風呂の蛇口をひねると温かいお湯が出ただけで涙するほど感激した経験があります。

今でも温かいシャワーを浴びるたびに「ありがたいなぁ」と感じますが。

物がない時代を経験したからこそ、物があることが豊かであり幸福という時代があった。

しかし、今は成熟国家になり、たいていの物は行き渡り。まだまだ欲しい、あれもこれもあるだけ欲しい、みたいな時代ではなくなってきましたよね。

そうすると、人はまた新たな豊かさや幸福を探し出す。

そして満たされた次はそれを手放すことに豊かさや幸福を見出したのだと思います。

それが物質的豊かさから精神的豊かさへの移行なのだと思います。

特に持たないことの美しさというのは、東方文化に代表されるような、わびさびや四畳半を美とする日本人独特の美学のようにも思えます。

資本主義的な豊かさ・幸福との訣別

小テーマに「訣別」などと書きましたが、できないでしょう。笑

脱成長などが叫ばれる昨今ですが、僕は資本主義や経済成長には賛成派です。

それらがあったから人類は豊かに発展し、医療や技術の恩恵を受けられているとも思うからです。

ただ、資本主義はなくならず、しかし形が変容していくことはあり得るのかなとも思っています。

動物は自然界の果実や植物、動物を食べて命を繋ぎます。そこに食物連鎖が生まれる。

人間も動植物を食べるものの、その前に「お金」を介すことで、この食物連鎖の輪から逃れることに成功しましたね。

動物世界で「命」が循環するのに対して、人間世界では「お金」が循環する。

しかし、資本主義はこの腐らない果実であるお金に「貯める」という機能をつけてしまった。

それにより、自然循環の輪を止める働きをすることで、富が一部に集中して再配分されないようになってしまった。

お金は地位財だけでなく、非地位財に属する幸福を手にする際も必要になるリソースであるため、

お金が循環しないことは、地位財的にも非地位財的にも幸福の獲得を止めてしまうことになる。

ということで、現在人々の幸福追求が地位財から非地位財に向かっているということは、この大きな潮流の力が、

貨幣経済や資本主義のあり方にも何かしらの影響、力を及ぼすんじゃないかなって僕は思います。

それこそ、利潤を目的にしない非営利団体やDAOといった新しい「組織体系」が社会を構築していく可能性もありそうです。

今まではお金がないと幸せになれない(と考えていた)地位財的世界で生きてきた人達が、これからは少額のお金があれば幸せになれる非地位財的世界に向かい出したら、色々と世界は変わっていくでしょう。

県別年収と幸福度

前野さんは博報堂と共同研究し、県別の年収と幸福度を測ったことがあるそうです。

かなりざっくりとエクストリームに図にしましたので、Youtubeの内容と少し違った解釈に見える部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

そして、、手作りでとてもチープな部分も目を瞑っていただければ、、と思います。笑

年収別に分けると、赤が一番高く、その次に青、緑、茶色という順になります。

※とても大雑把にしました!本当は工業地帯の年収が高いので、大阪とかも高くなるのでしょうが、複雑さを省くという意味で、超シンプルにさせてもらいました!

そして、ここから面白いのですが、幸福度の順位はというと、年収別分けの逆が起きているのです。

つまり、茶色地帯が一番幸福を感じていて、その後に緑、青、そして赤。

※東京の幸福度は他の赤丸の県に比べて少し高かったようにも思います。

僕なりの解釈ですが、首都圏や都市部、人がたくさん集まる場所には「機会」が集まるので、お金もまあまあ集まる。

ということで、こういった地域を目指す人は夢や機会、その先にあるお金獲得を目指して集まっているので、どちらかというと地位財を目的にした人が集まる。

しかし、地位財的な豊かさや幸福には比較競争が付随するので、それにより疲弊してストレスもたまる。

また、効果は長続きしないため、結果あまり幸福を感じている人が少ないのかもしれません。

それとは反対に首都圏や都市から離れれば離れるほど、年収は減るものの幸福度が高くなるのは、

非地位財的幸福に生きている人が多く、比較競争が少ないためストレスにさらされることがなく、

また物理的にも首都圏と離れているから比べようがないことが自分達の幸福を維持できているのではないでしょうか。

以前、「都会と田舎と日本人」という記事も書きましたが、都会と田舎で大きく性格や性質が分かれるのも個人的には面白いなぁと思います。

幸福の心理的要因は4つに分かれる

非地位財的な幸福を得る原因を大きく分けると、身体的要因、環境的要因、心理的要因に分解することができ、

心理的要因をさらに分解すると大きく4つの因子に分かれるそうです。

動画の中ではこちらにフォーカスして説明していたので、ここの部分だけまとめておきたいと思います。

結果から書くと、この4つが大きな要因になるそうです。

  1. 自己実現と成長
  2. 繋がりと感謝
  3. 前向きと楽観
  4. 独立とマイペース

この4つを見てみるとちょっと面白いなと思います。

特に3と4。日本人はどちらかというと逆の性質の人が多いんじゃないかなって思うので。

動画の説明を要約するというよりは、この4つに対して自分の見解を簡単に書いてみたいと思います。

1、自己実現と成長

これはマズローの5段階欲求の最上段階ですよね

僕も最近、幸福とは何かと聞かれたら「自分の価値観や深い信念と現実世界の一致度が高ければ高いほど幸せと言えるのではないか」とよく考えていました。

これって自己実現そのものだなとも思います。

2、繋がりと感謝

いろんな研究で幸福を感じる要因を調べると常に出てくる「繋がり」。

友人関係、パートナーと、職場や学校での人間関係が良好だと幸せを感じやすいというやつですね。

人は本能レベルで誰かと繋がりたいと考えているそうです。

それは昔人と仲良くやってないと殺されてしまったり、食べ物にありつくことができないという時代を長いこと経験したことでDNAに植え付けられた本能になったそうです。

3、前向きと楽観

日本人はセロトニンで見ても、ドーパミンで見ても、他の人種と比べて悲観的になりやすい性質を持っていることは科学的に証明されているそうです。

※ドーパミン的には日本人はほんの些細なことで幸福を感じられる性質の持ち主でもあるそうです。

日本人はホルモン的に不安を常に抱えているから、だから世界的に見ても貯蓄率、保険に入る率がダントツ。

日本人はもう少しお金で幸福を買うのもありかもしれませんね。

4、独立とマイペース

これも世間体をすっごく気にする日本人にはなかなか取れないポジション。

昔パラグアイで聞いた話ですが、パラグアイ人が幸せなのは、「他人のことを一切気にしない」からだそうです。

着たい服があればそれが他人から見てどんなにおかしな柄の服でも着るそうです。

他人の目は気にしないし、そもそも他人も他人にかまわないそうです。

そうして自分のしたいようにして生きていけるから幸せなんだとか。

他人がお金を持ってようが持ってなかろうがどうでもいいと言ってましたね。

パラグアイの幸福は他者との比較や競争で獲得する地位財ではなく、非地位財に焦点を当てて人生を送ってるからあれほど幸せに生きているのだろうなと感じます。

おまけ

ということで、ここまで幸福について学んできましたが。

この幸福学を前提に考えて学校の教育や職場をデザインできれば、もっと多くの人が幸せを手にすることができるかもしれません。

また、資本主義的豊かさや幸福から人々が移動しようとしている時代、これからは非地位財を目的にしたビジネスが当たるかもしれません。

それで言えば僕は個人的に「健康」に非常に興味があるのですが、アップルやGoogleがヘルステックカンパニーに変貌を遂げようとしているのも納得です。

今は多くの人が富(お金)を目的に生きていますが、あくまで富は手段に成り下がり、上手に再分配されるような世界がデザインされ、人々が非地位財的な幸福を目指す社会になれば、もっと幸せな社会になりそうなだって思います。

って話でした!

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